一時期、芸能人による闇営業がお茶の間で話題となりましたが、サラリーマンの副業にも「闇副業」と呼ばれる仕事があります。
闇副業は短期で高額な報酬が設定されている場合が多いですが、違法性の高い仕事もあるため注意が必要です。
本ページでは、闇副業とはどういうものなのか、闇副業のメリット・デメリット、闇副業として知られる仕事やその内容についてまとめてみましたので高額な副業を探している方は、闇副業でトラブルに巻き込まれないように参考にしてみてください。
ページの目次
闇副業とは？
闇副業という言葉に厳密な定義はありませんが、多くの場合「表に出てこない仕事」といった意味で使われます。
一般的な副業は求人サイトなどで募集されている表の仕事ですが、闇副業は求人媒体などでは募集されていない危険な仕事です。
闇副業と似たような言葉に、裏副業があります。どちらも表立っては募集されていないことが共通点です。説明を分かりやすくするため、本ページでは闇副業と裏副業の違いを以下のように設定しました。
| 闇副業 | 表に出てこない仕事の内、違法性の高いもの |
| 裏副業 | 表に出てこない仕事の内、合法なもの |
（※上記の定義はあくまでも本ページ独自の解釈。裏副業も紹介しています。）
闇副業は一般的な副業よりも高額な報酬が稼げる一方で、犯罪に巻き込まれる危険性が高いものや、仕事内容自体が違法なものがあるためご注意ください。
闇副業のメリット・デメリット
闇副業にはメリットとデメリットの両方があります。
ただし、メリットに対してデメリットのリスクが非常に大きいため、闇副業をするのはおすすめできません。
以下に、闇副業の特徴について詳しく解説します。
メリットは短期に高額報酬が稼げること
闇副業のメリットは短期間で高額な報酬が稼げることです。
違法性の高い闇副業では、一般的な副業では考えられないような法外な報酬が支払われる場合があります。
闇副業の案件を募集する雇い主は、今すぐ手元に現金が欲しい人を狙っているケースが多いです。通常の報酬では誰も引き受けてくれないような仕事内容のため、高額な報酬を掲げています。
デメリットは違法性が高く犯罪のリスクがあること
闇副業のデメリットは違法性が高く犯罪に巻き込まれるリスクがあることです。
闇副業を募集している雇用者には、反社会的な組織が関係している場合があります。そのため、仕事内容自体が法に触れるものだったり、身の危険を感じるトラブルに巻き込まれたりするリスクが高いです。
闇副業で違法な行為をしていることが発見された場合、最悪のケースでは現行犯逮捕となるためくれぐれもご注意ください。違法行為が発覚すると、罰金刑や懲役になる可能性が高いです。
また、闇副業に手を出す人がお金に困っていることに目を付けられると、闇金融業者や詐欺のターゲットになる危険性もあります。
闇副業として知られる仕事の内容
以下に、闇副業として知られる仕事を紹介します。
明らかに犯罪行為と分かるものから、一見すると法に触れていなそうなものまで、闇副業の内容はさまざまです。
本ページでは、以下の8つの闇副業の内容を解説しました。
- パチンコの打ち子
- 卒論代行
- 自然物販売
- 部屋貸し
- 粗大ごみの転売
- 不動産の名義貸し
- 運び屋
- 別れさせ屋
それぞれの闇副業について、仕事の内容や報酬、どのようなリスクがあるかを詳しく説明します。
誤ってこれらの仕事に手を出してしまわないための参考にしてください。
①パチンコの打ち子
パチンコの打ち子という仕事は、場合によっては違法になる闇副業です。そもそも「打ち子」とは誰かに雇われてパチンコを打つ人のことを示しています。
合法の打ち子もありますが、多くの場合は違法な打ち子です。
闇副業の違法な打ち子は、パチンコ店から雇われて非常によく当たる台で打ち続けるように指示されます。開店から閉店までずっと同じ台に座って当たりを出し続けることで、他の客に「この店はよく出る店だ」と勘違いさせるのが目的です。
違法の打ち子は、ただパチンコ台に座っているだけで1日1万円前後の日給が支払われます。ただし、お店と手を組んで勝率が操作されて台で遊ぶことは、それ自体が違法行為です。
パチンコやパチスロの勝率は法律によって上限があるため、その上限を超えて当たる台は本来存在しません。
違法な打ち子に手を出してしまった場合、業務上横領罪や窃盗罪などの罪に問われます。10年以下の懲役や50万円以下の罰金になるリスクがあるため、闇副業の打ち子には応募しないようにしましょう。
②卒論代行
卒論代行は様々なリスクがある闇副業の1つです。
卒論代行では、その名の通り大学の卒業論文の執筆を代行します。大学生に成り代わって卒論の文章を書くゴーストライターの仕事です。
卒論代行の報酬は1文字につき何円という形で設定されていることが多く、安いものでは1文字3円、高いものでは1文字10円の報酬が貰えます。例えば、2万文字の卒業論文を代行した場合、1本で最大で20万円近くの報酬が手に入るということです。
ただし、闇副業の卒論代行には以下の2つのリスクがあるため、おすすめできません。
1つ目のリスクは、私文書偽造罪に抵触する危険性です。
私文書偽造罪とは、私人間で取り交わされる文書を偽造した人が問われる罪で、1年以下の懲役または10万円以下の罰金になります。
2つ目のリスクは、報酬が支払って貰えない危険性です。
卒論代行の依頼者はほとんどの場合は大学生のため、社会人としてのルールが守られない場合があります。卒論代行の納品をしたとしても、報酬が必ず手に入るとは限りません。
以上の危険性があるため、闇副業の卒論代行はできるだけ避けた方が良いでしょう。
③自然物販売
自然物販売は場合によって罪に問われる闇副業です。
メルカリなど、自分の持ち物を他の人と簡単に売買できるサービスが登場したことから、自然物販売をする人が増えてきました。拾った植物や石、貝殻などを販売するため原価がかからない分、稼げる報酬も高い点が特徴です。
特に、状態が良い植物や、珍しい種類の石などは高値で売れます。また、インテリアやアクセサリーの素材として価値が高いものも、高額で落札される自然物の1つです。
ただし、自然物販売は2つの罪に問われるリスクがあるため、うかつに手を出すことはおすすめできません。
1つ目のリスクは、偽証罪に問われる危険性です。
自然物は、その産地によって価値が変わるものがありますが、ネット通販で記載する産地を偽った場合は不正競争防止法違反や、詐欺罪という罪に問われます。
もし詐欺罪に処せられた場合、10年以下の懲役になるためくれぐれも注意しましょう。
2つ目のリスクは、不法侵入罪に問われる危険性です。
自然物を拾う場所が誰かの私有地だった場合、勝手に踏み入ることで不法侵入罪の罪に問われます。不法侵入罪は3年以下の懲役または10万円以下の罰金になるためご注意ください。
④部屋貸し
部屋貸しは場合によっては罪に問われるケースがあるため、闇副業として紹介します。
Airbnbなどの民泊アプリが登場したことで、一般の人が部屋貸しで儲けられる時代になりました。しかし、旅行者などに自分の部屋を貸す部屋貸しは、旅館業法に抵触する危険性があります。
旅館業法は、客を宿泊させる部屋に関する条件を定めた法律です。
他の人を泊めさせる宿泊施設について、部屋の広さや運営のルールなどの条件が決められています。旅館業法の条件を満たさない物件で部屋貸しを行った場合や、必要な許可を取らずに運営した場合は6か月以下の懲役または100万円以下の罰金です。
また、自分が借りている賃貸の部屋を他の人に貸してお金を取る「又貸し」も、違法な部屋貸しの一種です。自分が借りている賃貸物件を大家さんの許可なく他の人に貸すことはできません。
大家さんの許可なく又貸しをしたことが発覚した場合、すぐに契約解除となり部屋を追い出されてしまうリスクがあります。一般的な賃貸物件では、賃貸契約をする際に取り交わす契約書の禁止事項に又貸しが明記されているケースが多いです。
闇副業の部屋貸しは様々なリスクがあるため、部屋の賃料で収入を得たい場合は必要な資格を取るなど、正しい手順を踏んでください。
⑤粗大ごみ転売
粗大ごみ転売は違法なやり方をすると罪に問われる闇副業です。
粗大ごみ転売とは、マンションや一軒家の周辺に出されている粗大ごみを勝手に持ち去り、リユースショップなどで転売する行為を指します。
自分が使わなくなった粗大ごみを転売してお金を得ることは何の問題もありません。しかし、多くの粗大ごみ転売業者は無許可で他の人の粗大ごみを回収しているため、闇副業の可能性が高いです。
高級住宅街のマンションなどに出されている粗大ごみは有名ブランドの製品やまだ利用価値があるものが多いため、高値で売れます。しかし、その利益に目がくらんで他の人の粗大ごみを勝手に持ち出してしまうと、不法侵入罪や窃盗罪などの罪に問われるため、注意が必要です。
マンションの粗大ごみ置き場などは私有地にあたるため、居住者以外が勝手に立ち入るとその時点で罪に問われるリスクがあります。
不法侵入罪にあたる場合、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。また、窃盗罪にあたる場合は10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
⑥不動産の名義貸し
不動産の名義貸しは、必要な資格を持っていない人が行うと違法になる闇副業です。
通常、名義貸しと言えば「自分の名義を第三者に貸すことで報酬を得る」ことを意味します。しかし、不動産の名義貸しの場合は不動産会社が第三者に名義を貸すという行為です。
不動産業を営むためには、宅建取引士という資格が必要になります。そのため、不動産会社がまっとうにビジネスを行うためは、宅建取引士の資格を持った人が必要です。
不動産の名義貸しは、この資格を持っていない個人に対して不動産会社が自社の名義を貸すことで、その人があたかも有資格者であるかのように見せかけます。
不動産関係の仕事をきちんとした副業にするためには、宅建取引士の資格を自分でとることが必要です。名義貸しの禁止で罪に問われた場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されるため、違法な取引は避けましょう。
⑦運び屋
運び屋とはその名の通り物を運ぶ仕事ですが、内容によっては違法になる闇副業です。
たとえば、運ぶものが非合法の薬物や銃火器、盗まれた現金などの場合は罪に問われます。
違法な物を運搬させられる運び屋の仕事は、日給で10万円などの非常に高額な報酬が支払われるため、注意が必要です。もし、物を運ぶ簡単そうな仕事に見えるにも関わらず高額な報酬が設定されている場合は、闇副業の可能性が高いと考えられます。
自分自身は、運んでいる物の中身が何なのか知らなかったとしても、違法な物の運搬に仕事として関わった時点で共犯扱いです。薬物所持や銃刀法違反の疑いで逮捕されるリスクがあります。
なお、闇副業の運び屋では海外に行かされる案件も存在しますが、海外は日本とは法律が異なり、死刑制度がある国で捕まった場合は特に危険です。運んでいたものの内容によっては海外で重罰に処せられるリスクがあるため、内容が不明な仕事には関わらないようにしましょう。
⑧別れさせ屋
別れさせ屋は闇副業の1つで、高額報酬が貰えるもののリスクが高い仕事です。
仕事内容は、対象となる人達の人間関係を壊すことで、ほとんどの仕事では恋愛関係にある人がターゲットとなります。
別れさせ屋の具体的な仕事の最初の段階は、ターゲットとなった人に気づかれないように近づき、関係を持つことです。その後、浮気相手や恋人などを演じて、タイミングを見計らって証拠の写真などを撮影します。こうして捏造した情報を利用して、ターゲットとなる人を別れさせることが、別れさせ屋の仕事です。
別れさせ屋の報酬は10万円以上など非常に高額な場合が多いですが、バレた時のリスクや拘束時間、依頼を成功させる難易度も高くなっています。また、尾行や盗聴など、別れさせるために行った行動によっては、罪に問われるリスクも高いです。探偵業の届け出が無ければ、これらの行為は罪に問われます。
闇副業の注意点
本ページで紹介した闇副業は違法性が高いものが多いため取り組まないことをおすすめします。
法外に高い報酬が支払われる仕事を見つけたり、仕事を始めてから違和感に気付いたりした場合にはすぐに中止しましょう。
闇副業の案件を募集している組織の中には、実際には仕事の紹介ではなく、応募者に詐欺を仕掛ける悪質なところもあります。仕事を始める前に登録料などを請求してきたり、報酬の支払い条件が不明確だったりする場合には気を付けてください。
もし、自分では気づかずに闇副業に巻き込まれてしまった場合は、身近な信頼できる人や警察に相談しましょう。
怪しいと感じたら取り組まないことが吉
闇副業の意味や特徴、闇副業として知られる主な仕事について解説しました。
闇副業は短期間で高額な報酬が設定されている場合が多いですが、犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
闇副業が発覚すると最悪の場合自分が逮捕されるなど、メリットよりもデメリットの方が圧倒的に大きいため、手を出さない方が安全です。
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