中古マンションを売却するとき、“築年数”は価格や売却時期と深くリンクしています。
築年数が数年未満の比較的新しい「中古マンション」、見た目にも古びた感が強くなっている「中古マンション」。どちらも“中古”には変わりありませんが、購入者側の気持ちとしては「できるだけ新しいマンションがいい」という気持ちもあるでしょう。
築年数が古いマンション売却をしようとしているなら気になるのが「築年数によって売れやすさが変わるのか」ということではないでしょうか。
今回は、中古マンション売却の前に事前知識として知っておきたい「築年数」と「マンション売却」との関係について掘り下げてお話ししていきます。
数万円でも高く売りたい!不動産の売却価格ならまずは無料査定から!
イエウールならたった60秒で現在の不動産売却価格を事前に無料で知ることができます。
全国1000社以上ある大手&地元の不動産屋へ一括査定してもらえるうえ、住宅・土地等の様々な物件種別にも対応。自分の希望価格に合った売却先を、見積を見て比較しながら見つけられます。
もちろん完全無料で利用可能、「大切な不動産を最高価格で売却したい」方にとっておすすめのサービスです。
希望価格で売れないかも…?築年数と価格との関係とは?
中古マンションを売るときには、なるべく高く売りたいと考えるのが普通ですよね。
よっぽど「すぐに現金化したい」と言う事情がなければ安く売り急ぐことはないでしょう。なかには、希望価格で売却できるまで長期戦で頑張るという人もいるのかもしれません。
しかし、築年数はやはり売却価格と大きく関係しているので、おおよその下落率は頭に入れておいた方がいいでしょう。
・築1年⇒下落率10%
・築3年⇒下落率13%ほど
・築5年⇒下落率15%ほど
・築10年⇒下落率25%ほど
・築20年⇒下落率40%ほど
のように、築20年を過ぎると新築時の半分ほどの売却価格になります。
ただ、おおよその下落率で、マンションが持つ“メンテナンス”力によっても価値は変わります。
築年数が浅いほど、不具合も見つかりにくく、“新しい”ということが魅力としてクローズアップされます。つまり、高めの売却額が期待できると言えるでしょう。
築浅と言われるような「新しめの中古マンション」は、流通も少なめで買い手側にも注目されます。また、都心部にあるタワーマンション、近年開発が進んでいるエリアなど、購入時と同額以上と高値になるというケースも稀にあるものです。
築年数が5年を過ぎたころから10年くらいまでは価格も下がってきますが、適切な時期に大規模修繕がされたメンテナンスの行き届いたマンションであれば、査定にもプラスに反映されるでしょう。
一般的なマンションでは築10~15年の間くらいで大規模修繕工事が施されるので実施されていれば価格を左右するでしょう。
また、マンション購入者は、間取りや立地などにこだわるのはもちろんですが、マンションそのものの老朽化にも目を向けます。管理組合がしっかり機能していて「メンテナンスや修理がされている質の良いマンション」であれば、築年数が過ぎていても価格は極端に下がらずに済むかもしれません
売れ筋の中古マンションは築何年?
中古マンションの物件情報を探していると、建築してから数年程度の新築に近いような物件の売り出し広告を見かけることがあるかと思います。
このような建築後数年程度の中古マンションを“築浅”と言い、区別されるケースが多いです。
築浅マンションはやっぱり人気
基本的に、抵抗なく“築浅”と言える程度の築年数であれば、人気はあります。
築浅マンションはどの程度の築年数か
築浅と言われるマンションの基準は、特に定められていません。
世間一般的な感覚ですが多くの人は3~5年程度の築年数の物件を築浅マンションと認識しているようです。
ただ、マンションの構造や外観の劣化度はそれぞれ異なるので築10年くらいでも“築浅マンション”と謳われていることも少なくありません。
築浅が人気の理由
前項でも触れましたが、売却価格の下落率は築数年くらいまではそれほど下がりません。
そのため、「価格よりも綺麗な見た目や最新設備を求める」という人には、一般的に築浅と考えられる中古マンションが人気です。
また、老朽化したような築年数のマンションと比べると「リフォームの必要がない」というのも魅力と考えられています。買い手側にとっては「売却価格は高めだけれど手直しする費用がかからずに済む」という理由も人気の背景にあります。
バランスのとれた築10年くらいも注目度が高い
しかし、あまりにも古く、建て替えが必要なくらいの築年数になると敬遠され売りにくくなるでしょう。
バランス的には、少し価格が下がってお手頃になった築5年以上、でもそれほど古くない築10年程度が注目されやすくなっています。
そんな背景から、中古マンションの売りやすさを示す指標のひとつとして10年未満くらいが人気のボーダーラインと言われています。年数的にも10年程度と見た目や室内にもそれほどのダメージがないケースも多いでしょう。
そのため、中古マンションを探す人の探し方も「築10年未満」としていることも。それを少し過ぎただけで検索に引っ掛かりにくく注目されにくいというケースもあります。もうすぐ築年数が10年だというのであれば、少しでも好条件を狙って売却活動を開始するのもタイミングかもしれません。
築30年を超えると売却しにくいもの?
築年数浅めの中古マンションと比べると、見た目の劣化とともに売却価格も下がります。
そのため、「売却できるのか?」という心配もあるかもしれません。
価格が低くなるのは「耐震性」が弱いかもしれないから
築30年程度のマンションが価格的に低くなるのは、「旧耐震基準」の問題とも関係しています。近年建てられているマンションは、1981年に導入された新耐震基準に沿っています。
そのため、その“新”基準に合わせて建設されているマンションかどうかが売却しやすいかのカギになります。新耐震基準が制定された後に建設されたのであれば、需要もあるでしょう。
じゅうぶんなケアがされている良いマンションは好印象
ただ、マンションの法定耐用年数は47年という数値があるので、築30年を過ぎた頃でもじゅうぶん寿命は残っています。しかも、実際には47年が来たから寿命を迎えるわけではありません。
適切なメンテナンスがされていれば、それ以上でもじゅうぶん住居としての機能を果たしてくれるでしょう。
そのため、築30年を過ぎていたとしても、マンションの修繕が適切に行われ管理組合がしっかりしている“質の良いマンション”、そして部屋のリフォーム歴もあって“手入れがされている部屋”の両方を満たしていれば、まだまだ売却すること自体は可能です。
ただ、築年数が浅いマンションと比べると、どうしても低くなってしまうのは仕方のないことだと思っておきましょう。
お買い得感を重視する人は築年数が古くても注目する
「新築よりも価格的にお得」を重視している人も多いでしょう。
そんな人には、築年数30年超えで「古いのでは?」と思える物件でも、立地や間取りさえ気に入れば魅力的に映り、購入候補に入れるケースが多いです。
老朽化が進んでいる…!築年数が古いマンションはリフォームしてから売るべき?
築年数が浅いマンションと比べると、「売りにくいのでは?」とつい心配になってしまうのが築年数の経っているマンション。
特に、見た目に老朽化が表われているなら、リフォームで新しく変身させて売るべきなのでしょうか?
リノベーションを前提に中古マンションを買う人もいる
そもそも、中古マンションを買う人の多くは、「中古は古くて当たり前」という感覚を持っています。そして、住まいのなかを自分好みにフルチェンジさせる“リノベーション”を狙っているケースも少なくありません。
築年数が古いマンションの魅力は「価格が安い」という点ですよね。
そこで、「安く買った分をリノベーション費用に回そう」と考えているケースも。そんなリノベ目的の人から見ると、大がかりなリフォーム物件は対象外になってしまいます。
リフォーム費用は売却額に上乗せできるわけではない
築年数が古いマンションをリフォームして売る人のなかには、「費用を上乗せして売却すればいい」と簡単に考えているケースもあります。
しかし、基本的にはリフォームしたからと売却価格を高く設定するのはよくありません。リフォームした費用を売却価格へプラスしても、買主側からは「周辺の物件よりも高い」とジャッジをくだされてしまうでしょう。
例えば、
・築年数30年のリフォーム済物件にその費用を上乗せした価格
・築年数20年のリフォームしていない物件
という2件の同じようなエリアで間取り条件が似ている中古マンションがあったとします。
価格帯は同じでも「築年数が浅い方がいい」と考えられることもあります。このとき、もしリフォーム費用が上乗せされていなければ、築年数の古い方がスムーズに売却できるかもしれません。
売れにくいだろうという不安から、「リフォームして費用を上乗せする」というのは最終的に売れにくくする原因にもなるかもしれないので注意が必要です。
部分的なリフォームは戦略としてはアリ
新しさを求められていないとはいえ、極端に「汚い」「劣化している」というマイナスポイントが強めに表われている中古マンションは買い手に悪印象を与える原因です。
例えば、
「壁紙に黒ずみが目立つ」「壁紙が剥がれている」「フローリングが部分的に傷だらけ」「畳の表面が傷んでいる」など。こんなケースは、部分的にリフォームして綺麗に見せれば印象アップするでしょう。それほど費用もかかりませんし、売却もスムーズになる可能性が高まります。
ただし、先ほどもお伝えしたように「リフォームしたから“高く売れる”」とは違います。どちらかと言えば、「早く売るため」と長期戦にしないための工夫と考えた方が無難です。
基本的には清潔さがアピールできていれば◎
「築年数が古いから仕方がない」と掃除もまったくしないのはNGです。
ふだんのお手入れが綺麗にされているかどうかは、特に水回りに表われます。
売主が諦めモードで掃除をしていないと、劣化の印象が強くなるばかりか、「だらしない売主さんだな」「こんな人から買いたくないな」と思われるかもしれません。
買ってくれる人への心遣いとして、最低限の清潔感をキープするのは大事なことです。
基本的に、日頃の掃除を心がけていれば、それほど汚くなることはないでしょう。ただ、汚れが頑固で自分の手に負えないなら、ハウスクリーニングでプロに綺麗にしてもらうのも効果的です。
家全体をやると費用が結構かかるので、「水回りだけ」「キッチンだけ」「浴室だけ」など、気になる部分だけ実施するのもおすすめです。
不動産会社に相談しよう
売却前にリフォームするなら、リノベーションのように大がかりなものは避け、簡易的なものに留めておくべきです。
ただ、状況によっては「リフォームしなくても売れる可能性がある」という物件も。
それ以外に、「価格が周辺よりも安い」「眺望が素晴らしい」「周辺エリアが発展中」など、魅力をアピールできるポイントがあれば、多少汚れが目立っても購入してもらえるケースもあります。
「リフォームした方がいいか?」と悩んだら、まずは不動産会社に相談してみるといいいかもしれません。プロの目線なら、「部分的にリフォームしましょう」「ハウスクリーニングでOK」など適切なアドバイスが期待できます。そのためには、信頼のおける不動産会社探しも大切です。
まとめ
今回は、中古マンション売却と築年数との関係についてお話ししました。
売りやすさでいうと、少しでも新しい方が有利でしょう。
「築○○年」という数字は変えることのない現実なので、古い築年数ならば、それ以外の魅力ポイントをアピールするしかありません。部分的なリフォームやハウスクリーニングの実施で、清潔さを表現するのもいいでしょう。
また、築年数はひとつの基準です。
中古マンション購入時に重視するポイントは、人それぞれ。
「築年数が古くても希望の立地に住みたい」「老朽化が見られてもリノベーションするからOK」と、築年数が古い物件を探す人もいるでしょう。
価値観がバッチリ合った買主さんに出会えれば、売却もスムーズにできるかと思います。ただし、価格が相場に見合っていないと高過ぎることが原因で注目してもらえないものです。
築年数と老朽化の度合い、それに見合った価格設定など、不動産会社にも相談の上、戦略を練ってみましょう。
土地ハックのおすすめ不動産特集ページ