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解体工事の全てが10分で分かる | 工事工程の流れや実際にかかる費用と最適な時期

長年暮らした家や相続した実家にはたくさんの思い出が詰まっているものです。そんな大事な住まいの解体工事は、不安や疑問を抱えて失敗したくはありませんよね。

家を建てる「新築」と比べると、取り壊す「解体工事」は、クローズアップされる機会が少なく、分からないことが多すぎると感じている人が多いでしょう。「業者に任せておけば安心」という考え方もひとつですが、すべて任せて後悔するケースも少なくありません。

解体工事の流れや費用などを全く知らないまま依頼をすると、予想外の費用の請求や何らかのトラブルに発展したりなども考えられます。依頼前には、解体工事についての予備知識を持っておくことでトラブルを防ぐことにも繋がります。

今回は、解体工事のおおまかな流れや事前の届け出、想定されるトラブルなど、「これだけ理解できれば解体工事を問題なく申し込める」までの情報で説明していきますので、解体工事でお悩みの方は是非参考にしてみてくださいね!


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解体工事ってどんなもの?初めに手順や流れを知ろう

まずは、解体工事がどんなものか、どういった流れで進んでいくかを見ていきましょう。

そもそも解体工事とは…?

解体工事は、建物を取り壊して更地にすることです。

解体工事の背景はさまざまですが、基本的には「古い家を取り壊す」というパターン。解体後は、自分の家を新たに建てることもあれば、売却して手放すというケースも多いです。

解体工事はどのくらいの期間かかる?

家を取り巻く状況は一軒一軒違うため、解体工事にかかる期間は一概に言えません。一般的な目安としては、すべての工程が終わるまで2週間前後はかかると考えておくといいかもしれませんね。

また、規模が大き過ぎたり、解体しにくい事情を抱えていたりなど、場合によっては1か月以上かかることもあります。

どんな手順で進んでいくの?

依頼する業者を選定し、解体工事の契約が終われば、さっそく解体工事が進んでいきます。

①ライフラインを止める

電気や水道、ガスなどのライフラインは、停止の手続きをしておくようにします。手続きは業者で代行してくれないので、自分で段取りを組んで連絡しておきましょう。ただ、水道については解体工事の作業で利用することがあります。

手続きは基本的に自分で行う必要がありますが、「止める日」や「止めてもOKなライフライン」などについては、解体業者から指示を受けておくといいでしょう。

②周辺住民へのあいさつ

解体工事中には、どんなに注意しても、大きな音や振動粉塵やホコリも出ます。それに、解体に必要な重機、撤去した廃材の運搬など、大きな車の出入りが頻繁になるでしょう。工事期間は、近所の人にこういった迷惑をかけてしまいます。

何も知らないまま工事が始まると、近所の人は「何で工事前に言ってくれないの?」とイライラするものです。場合によっては、「事前の挨拶がなかった」と憤慨して乗り込んでくる可能性も。工事が中断すると工期が長引いてしまいます。事前に一言伝えておくことで、後々の近隣トラブルを避けることに繋がります。工事前には、周辺への挨拶をするようにしましょう。

③足場を組み立てと養生

解体する建物に足場を組むのは、2つの理由があります。

ひとつは、高所作業を安全にスムーズに行うため、もうひとつは粉塵や木くずが周囲に広がらないように養生シートを設置するためです。

④手壊し部分をスタート

大きな重機で取り壊す前に、屋根瓦やガラス、ドア、設備(キッチン・浴室・トイレなど)、内壁などをまずは「人力」で解体が始まります。

「すべてひっくるめて機械で壊す」という大雑把なことをしないのは、リサイクルできるものや処分の際に環境に配慮すべきものが細かに法で分類されているためです。

⑤重機で解体する

家のなかの設備や内装を撤去し、家の骨組みになったら重機での解体が始まります。家の取り壊しが終わったところで、次は建物の土台となっていた「基礎」部分を撤去です。

⑥地表および地中の廃材の撤去

解体時に発生した木材、ガラス片、鉄、コンクリート片などを収集。適正に処分していきます。

⑦整地する

解体後は、「整地」という処理を施して更地にします。

細かいゴミや石を取り除き、表面を均す「粗整地」、粗整地後に砂利などを巻く「砕石舗装」、粗整地をした上に真砂土を敷く「真砂土舗装」、「コンクリートやアスファルト舗装」など、いくつかのパターンがあります。

解体工事には届出が必要!業者任せでも大丈夫?

解体工事は、法律に基づく必要があり、工事前や完了後にいくつかの手続きが必要です。「業者がすべてやってくれるのでは…?」と思うかもしれません。しかし、施主本人がすべき届け出もあり、届け出申請を忘れて罰金の対象になると大変です。どのような手続きがあるのか、事前に把握しておくといいでしょう。

「建設リサイクル法」に基づく事前の申請

解体工事に関する法律によると、「80㎡の床面積がある家の解体」の場合には、工事着工7日前まで各都道府県に届け出ることになっています。

ほとんどの場合、解体業者が代行してくれますが、基本的には「施主側」に届け出の義務があります。そのため、解体業者に届け出をしてもらうためには委任状が必要になります。解体工事前には、届け出をしてもらえるのか確認しておきましょう。

ライフラインの停止手続きをする

「電気・ガス・水道」といった公共設備のほか、電話やケーブルテレビ、インターネット回線といった通信設備は、ほとんどの家で利用されているライフラインです。これらの配線やメーターなどは、工事前に撤去が必要です。停止手続きは基本的に施主側の義務。各機関に連絡するときは「解体工事のため停止したい」と伝えるとスムーズです。

連絡が遅くなり過ぎると、工事日までに対応が間に合わなくなることもあります。余裕を持って連絡するのがおすすめですが、遅くなっても解体工事が始まる1週間前には停止連絡をしておきたいところです。

ただ、注意したいのは「水道」です。解体工事の最中に使うケースも多いです。ライフラインの停止手続きは施主の義務ですが、解体業者に確認して助言をもらってから停止手続きを進めていくといいでしょう。

道路使用許可の申請をする

解体工事には、撤去した資材を運搬する車両や取り壊しのための重機など、大きな車が必要です。敷地が広ければあまり問題ありませんが、止めるスペースがなく、一時的に道路上に止めなければならないことがあります。

ただ、工事で道路に車両を止めるなら、「道路使用許可」を警察署書へ届け出なければなりません。基本的に解体業者の方でやってくれますが、施主側でも把握しておき、疑問に感じたときには聞いてみるといいでしょう。

建物滅失登記を忘れずに

解体工事が完了すると、法務局にて、建物がなくなった証明となる「建物滅失登記」の手続きが必要になります。自分で登記もできますが、費用をかけて司法書士などの専門家に依頼することも可能です。

この手続きは解体業者ではなく、施主側が1か月以内に手続きしなければならないので注意しましょう。

解体工事で起こりやすいトラブル事例

順調に解体が進めばいいのですが、いろいろ問題が起こることもあります。どんなトラブルが起こりやすいか事例をみてみましょう。

スケジュール通りに進まない

天候の影響でスケジュール通りに進まないことはよくあります。

基本的には、雨が降っても解体工事はできます。しかし、雨で水分を含んだ地盤では、乾いた土地と違ってスムーズに重機が動かないことがあり、工期が延びるかもしれません。

また、足場を組み立てての作業になるので、揺れで崩れるリスクから極端に風の強い日は作業ができなくなります。台風の影響を受けやすい時期や地域では、解体工事が長めになる可能性も考え、余裕を持って進めていくことをおすすめします。

◎整地の内容が曖昧だった!

解体工事を頼んだときは、「解体する」部分だけを重視してしまうかもしれません。見積書を見ても、金額を主にチェックし、整地部分はあまり見ないという人も多いでしょう。

そもそも「解体したら整地してくれるものでは?」と考えている人もいますし、解体業者の方でも整地について詳しく説明しないケースもあります。そのため、「解体工事が終わったら大雑把にゴミを片付けて終わってしまった…」という失敗談もあります。

解体後に建て替えや売却など、今後の目的が決まっているときは、「解体+整地」とセットで行ってもらう必要があるので、見積もり段階でしっかりと説明を受けておきましょう。

解体に必要な手続きが不完全だった!

前述のように、解体工事にはいくつかの手続きが必要です。事前に行うべき許可申請が行われていないと、最悪、工事自体が中止となることも。

事前の手続きは業者がやってくれるイメージがありますが、施主側の方でも知っておくべき届け出もあるので、依頼時に聞いておくようにしましょう。

近隣と工事の件で揉めてしまった!

解体工事には、騒音や振動、粉塵などがつきものですが、迷惑がかかってしまうのは「現在居住中の近隣に住んでいる人たち」です。スムーズに工事が進むと1週間程度で終わりますが、長ければ数週間程度それが続きます。

事前に挨拶しておかなければ、「いつ終わるの?」「音がうるさくて我慢できない」とストレスがつのり、それがクレームとなることも。解体工事の実績が多数の業者であれば、工事の途中で近隣と揉めるのを避けるため、工事前に挨拶をしてくれるのが一般的です。

ただ、人によっては「解体する本人が挨拶に来ないなんて!」と不満を抱く人もいます。それがきっかけで近隣との仲が悪くなってしまうかもしれません。建て替えで今後もそこに住む場合には、注意すべきポイントです。個人的にも挨拶をしておくと近隣の人の感情も和らぐことでしょう。

また、工事が始まるずっと前に挨拶をすると、聞いた方は忘れてしまうかもしれません。施工開始の数日前程度に挨拶をするのが理想的です。

解体工事の主な取扱い会社

解体工事をどこに頼めばいいか分からない人も多いでしょう。つぎに国内の主な解体業者、サービス名について簡単に紹介していきます。

マツダジャパン(東京都)

本社を東京に置き、関東を中心に対応している解体業者。豊富な施工実績から、高品質の施工が強みとなっています。

有限会社東央建設(東京都)

小さな建物から大型施設までと幅広い施工実績がある解体専門業者。周辺への気遣いをしながらスムーズかつ配慮のある工事を心がけています。

解体工事のクラヴェ

関西を中心とした解体業者を紹介してもらえるサービスを展開。無料見積りフォームだけでなく、電話での相談もできます。

解体工事.com

不動産コンサルティングが見積もりをサポートしてくれる一括見積サイト。プロの交渉により見積もり額のカットを実現しています。

くらそうね解体

くらそうね解体は、2018年に「解体工事の匠」から改名したばかり。名古屋に本拠地を置き、解体業者の紹介と専門家によるサポートを行っている総合サイトです。

解体見積ガイド

工事実績が豊富で専門性が高い解体業者を厳選して紹介してくれるマッチングサイト。全国各地域の専任スタッフが対応してくれます。

解体王

施主と解体業者を結び付ける解体専門のマッチングサイト。費用をおさえたいときに、複数の業者の比較ができます。

解体工事で確認しておきたい必要な資格

建物を解体するためには、いくつかの資格が必要です。解体業者と名乗っていれば、大丈夫だとうと思いがちですが、無資格業者に依頼してトラブルに発展するケースもあります。

まず、「解体工事登録」という制度に登録しているかどうかです。

これは、「500万円までの解体工事を受注できる」「登録している都道府県内の工事に限る」というケースに効力を発します。つまり、解体工事登録をしている業者でも、隣県で登録されていると注意が必要なことになります。

また、「500万円以上の解体工事の受注が可能」「全国どこでも有効」なのが、「建設業許可」と言われるものです。

解体するのであれば、前述の資格のどちらかが必須なので注意しなければなりません。業者側に資格の有無を確認し、正式な資格を持っている解体業者に依頼するようにしましょう。

解体工事の見積書はしっかり細かくチェックしよう

複数の解体業者の見積書を比較するのは大事ですが、「見方が分からない」」「どこをチェックしたらいいか…」という人も多いでしょう。とにかく安い方がいいと、金額の安さを決め手に業者選びをするケースもあるかもしれません。

しかし、実際には見積書の内容によっては解体業者の質も分かるもの。安易に金額だけで決めると、「こんなはずではなかった」と悔やむことになることも少なくありません。

見積書を見るときは、トップに記載されている金額だけでなく、内訳をチェックすることも大事です。工事期間、解体に必要な届け出はしてくれるかなど、きちんと確認するようにしましょう。

見積書の見方について

見積もりをもらったときにチェックしておきたい内訳についてまとめていきます。

工事前の準備…「仮設工事費」

解体工事では、人力で壊す部分もあります。高い位置で動く作業員の安全を守るために足場を組み立てます。また、取り壊しによる粉塵や破片が飛び散るのを防ぐための養生シート、周囲への音の配慮に使う防音パネルなども必要です。

このような準備をひっくるめて仮設工事費としている見積書に記載しているケースが多いです。

工事そのもの「解体工事費」

重機の「運搬費用」、作業する人員にかかる「人件費」、解体で発生した廃材を運ぶ「運搬費」、廃材を法に従って正規に処分するための「廃材処分費」などが、一般的に解体工事そのものにかかる費用です。

そのほかの費用

それぞれの住宅によって異なりますが、付帯する設備の撤去にも費用がかかります。カーポートや物置、庭木、庭石、ブロック塀、浄化槽、土間コンクリートといった建物以外の撤去は、「付帯工事費」「外構撤去費」などの項目で見積りされるのが一般的でしょう。

また、業者によってさまざまですが、交通費、届出関係にかかる費用などが経費として計上されているケースもあります。

届出の確認、リサイクル法、廃棄物についても確認しておく

解体工事にともなう届出関係は、解体業者で代行してくれるケースが多いです。その費用が内訳に記載されていると安心です。見積書に記載されていなく、不安や疑問があれば分かるように説明してもらうのがおすすめです。

あまり良くない見積書に注意

見積書の形式は、「これでなければいけない」という決まりもないので、会社ごとに形式が違っているものです。そのため、上記にあげた内訳とは若干言い回しが違っている場合もありますが、基本的には見た人に分かりやすく記載されているのが安心できる解体業者です。

ただ、注意したいのが「解体工事一式○○円」と、工事全体の金額しか記載されていない見積書です。

足場にしても養生シートにしても、建物の規模をベースにした計算で見積もりされるのが普通です。額の経緯が分からない「一式」の記載では、高く見積もられているかもしれません。施主側に不安を残すような見積書は、後から追加費用が発生するなどトラブルを生みやすいので注意が必要です。

工事後に追加で費用が発生するケースもある

基本的に多くの解体業者は、契約前に現場を細かくチェックし、それを元に見積書を作成します。施主側としては「この金額以上かからないならお願いしよう」と思いますが、見積もり段階で予想がつかない状況も隠されています。

例えば、見ただけでは分からなかった地中埋蔵物。古い時代のものとみられる屋根瓦や住宅建材、浄化槽が埋まっているケースもありますが、当初の見積書には含まれていないので、それに応じた費用がプラスされます。

また、契約後に実際に壊す段階でアスベストなど特殊な建材と発覚した場合には、慎重な撤去としっかりした処分が求められるので追加で費用が発生することになるでしょう。

解体工事の平均費用はどのくらいかかるもの?

見積書の見方がだいたい分かったところで気になるのが解体工事費用ではないでしょうか。

構造別によって違う解体費用や工期のこと

解体業者の見積書には、家の規模を表す“坪数”を計算のベースにしているのを見かけるかと思います。

「坪単価〇円×家の坪数」で見積金額が算出されているのが一般的ですが、坪単価は建物の構造によって変わってきます。

木造の場合

木造建築は日本では古くからあり、「一戸建て家屋」というと木造のイメージが多いかもしれません。木造の解体工事は、いくつかある建物種別のなかでも費用は安価な傾向にあります。

ただ、建物が建っている状況によって解体のしやすさは変わってくるため、坪単価の平均は25,000~60,000円と少し幅があります。

また、基本的に人力でも重機でも壊しやすい木造家屋は、工期的にはそれほど期間を要しない傾向にあるでしょう。早ければ1週間ほどで解体が完了します。

鉄骨の場合

木造の解体工事よりも少し高めとなるのが鉄骨造の建物です。だいたい30,000~65,000円が坪単価の相場と考えましょう。

また、工期についてですが、木造よりは頑丈なため、少し長めな傾向です。重機を使っての取り壊しになり、解体しにくいことから時間がかかります。スムーズに作業が進んでも、早くて10日間ほどかかるとイメージしておきましょう。

鉄筋(RC造)の場合

もっとも解体費用が高くなるのが鉄筋造の家屋です。「丈夫さ」の観点で見ると、鉄筋構造がもっとも頑丈。つまり解体するのに手間がかかってしまいます。おおよそですが、35,000~70,000円が相場です。

また、木造や鉄骨と比べると最も頑丈な構造で、メインは重機を使っての作業になります。部材が重いので、解体および運搬にも時間がかかり工期に影響します。

それに、近隣へ大きな音が発生することから、時間帯に配慮しなければなりません。結果的に工期も長くなり問題なく解体が進んだとしても2週間ほどかかるケースが多いでしょう。

どんな要因で解体費用がアップする?

解体費用の費用が高くなる要因には、次のようなものがあります。

重機が入りにくい立地の場合

解体工事は、人力で行う部分と重機で行う部分があります。そのため、「重機の出入りのしやすさ」がポイントとなります。

重機がスムーズに入りやすいのは、幅員が普通の道路に接している敷地。しかし、幅が極端に狭い道路に接している住宅密集地、道路から離れた位置にある旗竿地、近くの道路との高低差がある敷地など、そもそも重機が入りづらい立地は人力で解体しなければならないことも。重機で壊すよりもかなりの時間がかかるため、費用は高くなってしまいます。

付帯するものが多い場合

カーポートや庭木、ブロック塀、庭石、池など、建物以外にも解体するものが増えると、費用がアップします。

隣との距離が近すぎる住宅密集地の場合

足場の組み立て、人力や重機での解体すべての工程で周囲への相当な配慮がかかせません。一般的な作業工程とは違い、現場に合わせた特殊な作業が必要になるケースもあり、費用がかかる傾向にあるでしょう。

解体業者ごとに価格設定は違う

業者ごとに坪単価の価格設定は違います。そのため、同じ坪数・構造種別の建物の解体見積もりをとっても、業者によってはかなりの価格差が出ることもあります。

また、住宅が密集している都心に近いエリアは解体の難易度が高く、手間もかかるので費用が高額になりやすいでしょう。逆に道路幅や敷地が広い地方都市のほうが工事しやすいので、全体的な費用が安くなるのが一般的です。

相場は「参考」としてとどめておくべき

解体費用について、「一般的な家屋なら○○円ほど」という情報を周囲から得ることがあるかもしれません。しかし、前述のように、現場の状況によって解体の難易度から費用が増減するのが普通です。同じくらいの坪数で同じ解体業者に頼んでも、数十万円以上もの価格差が出ることも珍しくないのです。

さきほど、構造別の「相場」をお伝えしましたがあくまでも参考程度、あるいは解体工事に踏み切る目安のひとつとして考えておくようにしましょう。具体的に解体を検討しているなら、まずは現地の状況を見てもらい、見積もりしてもらうのがおすすめです。

解体工事に最適な時期はいつ?

解体工事を考えるタイミングは人によってバラバラなため、最適な時期というものはありません。自分の都合のよい時期に依頼するのが一般的でしょう。

ただ、工事業者には、繁忙期や閑散期がありますし、季節によって工期へ影響を及ぼすことも考えられます。依頼する時期によっては「価格が高め」「忙しくてすぐに工事に取り掛かれない」などもあります。

事前に知っておき、その時期を避けるのもいいかもしれませんね。

解体業者の繁忙期は?

解体業者は、年末年始から年度末にかけて一般的な繁忙期です。

この時期は、実は建設業界全体が忙しい時期でもあります。

特に、年度末までの工期の公共工事を請け負っている業者の場合、仕事が集中する時期と言えるでしょう。スケジュールもびっしりで、こんな時期に解体の依頼をしても「費用が高くなる」「依頼から工事まで期間があく」こともあります。

閑散期に依頼するメリット

年度末の仕事がひと段落した新年度頃には、閑散期になる解体業者も多いでしょう。4月を過ぎるとスケジュール的にも都合がつきやすく、繁忙期と比べると費用面で依頼しやすくなるかと思います。

台風や積雪時期は避けたほうがいい

地域によって「台風」「積雪」と、解体工事に影響を及ぼしやすい時期があります。

台風のように強い風が吹く日は、足場の倒壊、作業員の転落のリスクが高まります。作業員の危険防止の意味だけでなく、周辺へのリスク回避のためにも、台風時期は避けたほうが賢明でしょう。

また、雪が降る時期は費用が上乗せされやすいです。雪国の解体業者のなかには、冬期は除雪作業を中心にスケジュールを組んでいる会社もあります。依頼を受けにくい状況であるため、通常よりも高額な見積金額が出る可能性も高いでしょう。

さらに、屋根や敷地内に降り積もった雪をよせるというプラスの工程も加わり、費用アップの要因となります。

梅雨時期の解体は…?

雨が続く「梅雨」の時期は解体に不向きなイメージがありますが、一概には言えません。

解体で発生したホコリが飛ぶのをおさえるため、解体中に水をまくことがあります。梅雨の時期は水まきの必要がなくなり、水道使用量がおさえられるメリットにもなります。それに、梅雨時期には近隣の家が窓を閉めているため、粉塵で迷惑をかけるのも回避できますね。

ただ、雨で濡れた状態で作業をするので、「滑る」「転落する」というリスクが消えるわけではありません。「強い雨が降っている」「強風をともなっている」などの場合、安全配慮のため、天気が回復するまで工期を延ばすケースもあります。

余裕を持って依頼しよう

繁忙期には、どこの業者も忙しくなるでしょう。「すぐに解体して欲しい」と切羽詰まっていないのであれば、閑散期の依頼がおすすめです。また、天候次第では費用の上乗せに関係のある工程も必要になるので、台風や積雪の時期は避けたほうが無難かもしれません。

いずれにしても、解体したい予定のギリギリで依頼をしても思い通りにいかないことがあります。慌てないためにも、「〇月まで解体したい」と明確なスケジュールのイメージがあるなら、早めに見積もり依頼や相談をするようにしましょう。

解体工事に関するまとめ

建て替えや実家の相続により、解体工事の施主になってしまうこともあります。

寂しい気持ちはあるものの、やるなら後悔したくはないですよね。疑問を抱えたまま、安さだけに目を奪われて工事業者を選ぶと、失敗に繋がるケースもあります。

何社かに見積もりをとって、じっくり検討するためにも、今回紹介したような予備知識を持って進めていきましょう。

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