働く社員のために「社宅」を用意している会社ありますが、「住む社員がいない」「空き部屋が多い」など、稼働率が悪い社宅を所有しているケースもあるでしょう。特に、会社所有の社宅の場合、支出だけが増えてしまいます。
人が住まないまま所有し続けていても、築年数の経過や建物の劣化で資産価値にも影響が見られるため、売却すべきか迷っているケースもあるかと思います。
社宅の売却を具体的に考えるときにおさえておきたいポイントを説明していきます。
▼社宅売却の悩みをスッキリ解決! |
社宅の売却とその方法について分からないことがあるとモヤモヤすることって多いですよね。 「会社所有の社宅売却で失敗したくない…」 「社宅を売る方法が分からない…」 「何も問題なくスムーズに売りたい…」 今回は、このような悩みを持った方に対して、できる限り分かりやすく細かく解説しています。 |
▼本記事の結論とポイント |
社宅を売却する場合、多くの時間がかかります。 会社を何らかの理由でたたむ場合、売却をする前に一度廃業届を出しますが、ここでの手続きに時間を要してしまう事がほとんどです。そのため、すぐ売るということが難しく、長い時間がかかってしまうことを把握しておきましょう。 その手続きを経てようやく不動産として売却になるのですが、多くの方が社宅跡地として、適性価格で売却できているのかが分からないため、失敗や放置してしまう事も多くあります。 もちろんそのまま放置していると税金が多くかかってくるため、ほとんどの方が売却や活用してお金に変えています。そうした時におすすめなのが不動産のネット査定です。 もし、既に決めている不動産屋があれば良いのですが、まだ決めていない場合は「イエウール」や「タウンライフ」を使うことで土地の状態や環境に合った売却価格を知れたり、相談することができます。 先に結論を見たい方は、本記事内の「社宅売却に関するまとめ」に飛ぶとすぐに確認できます。 |
社宅の2つのタイプ
社宅には、「借り上げ社宅」と「社有社宅」の2つのタイプがあります。
会社が借りて社員に貸し出す「借り上げ社宅」
借り上げ社宅とは、「会社が民間の賃貸物件を借りて、それを社員に貸す」というスタイルです。
会社は社宅を所有せずに済むため、「購入する」という初期投資がおさえられます。また、住む社員がいなくなれば、賃貸契約を解除すればいいので、コストをおさえられる社宅と言えるでしょう。
会社が所有する「社有社宅」
会社が所有者となり、それを社員へ貸し出すのが「社有社宅」です。会社の固定資産になるので、維持管理費は所有しているうちはかかります。
近年の「社宅」は昔と違う
昔は、社宅と言えば「長い会社員生活のなか住み続ける住居」というイメージがつきものでした。一度住めば、定年まで住み続けるという人もいたかもしれません。
しかし、現在では「転勤中だけ」「マイホームを建てるまで」など、一時的に住むケースが増えているように思います。
会社に勤めている間は住み続けられますが、定年と同時に引っ越さなければならないことがリスク的に感じる人も少なくありません。それに、「立地が変えられない」「家に帰っても会社の人が近くにいる」という難点もあります。住む側の視点で見ると、社宅に長く住み続けたいという意識は失われつつあるのかもしれません。
そのため、「社宅」は立地や間取りを選べる借り上げ社宅のほうが現代風とも考えられ、近年では社有社宅を売って、借り上げ社宅へとシフトしていく会社も見られます。
入居者が減少していく社有社宅問題
社有社宅といっても、「一棟まるごと社宅」というように一般の集合住宅のような建物もあれば、戸建てもあります。
一棟丸ごと社宅の場合、入居できる世帯数にもよりますが、一気に空き部屋となることは少ないかと思います。独身者の入居をメインにしている寮と違い、社宅は家族みんなで暮らす社員のためのものと考えられるケースが多いです。
しかし、会社を辞めれば退去しなければなりませんし、「マイホームを建てることになった」と出ていく人も多いでしょう。同じようなタイミングで入居する社員がいればいいですが、空き部屋が増えることもあります。
稼働していない社宅は劣化が進む
入居者がいる状態でも自然に劣化はしていくものですが、空き部屋あるいは空き家になれば、換気が不十分、掃除不足などにより、内部の傷みは進みます。借り上げ社宅と違い、会社で所有している建物のため、劣化にともなう修繕費用はすべて出費となります。
社宅が必要でなくなったら…?
先に述べたように、借り上げ社宅なら賃貸契約を解除すれば済みますが、社有社宅なら不要になったときには「売る」「そのままにする」などの選択肢から選ぶ必要があります。
社宅を売却する
一棟丸ごとの社宅なら、民間企業や投資家が投資物件として購入するというケースもあります。好条件の立地なら、買い手が見つかりやすいかもしれません。
また、古い社宅の場合、築年数や間取りがネックになりやすいですが、リノベーションなどで蘇るケースもあるので、売りたい価格と購入者の希望などの交渉次第では売れるでしょう。
売却メリット㈰:遊休資産を回避できる
本来は事業目的で所有していた資産でも、稼働していなければ遊休資と考えられます。ただ、「会社の事業のために使うべき」という通常の固定資産の概念から外れてしまいます。そのため、税務上の対象ではなくなる点に注意しなければなりません。売却して手放すことで、遊休資産にかかるコストをおさえることができます。
売却メリット㈪:管理の手間が減る
住まない状態だからと放置したままでは建物が劣化し、資産価値が下がってしまいます。売却することで、「外壁の塗装をしよう」「屋根を張り替えよう」などの維持管理の心配がなくなり手間がかかりません。
売却以外での所有を継続するのは…?
売却せずに空き家にして管理しているという会社もあるでしょう。すでにお話したように、空き家になれば「管理のために出ていくお金が増える」のはもちろん、建物の維持管理の手間がかかります。事業目的で所有していない資産は、税務上の問題も出てきます。
今後、使う予定がなければ、早めの売却を考えたほうがいいかもしれません。
社宅の売却まとめ
社宅に対するニーズと感覚は、昔と比べるとだいぶ変化しています。「長く住み続けよう」という意識がない人が多いので、会社としては「社有社宅」よりも「借り上げ社宅」で対処した方がいいケースも少なくありません。
稼働率が悪くても所有し続ければ出費や維持管理の手間がある社有社宅は、せっかくの会社の資産なのに有効活用できていないことに…。利用していない社有社宅なら、売却を検討してみてはいかがでしょうか。
また、「売却すべきかどうか迷っている」という段階でも不動産会社に相談することは可能です。社宅の売却が得意という不動産会社なら、それぞれの条件に合った提案が期待できます。
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